2015年9月30日水曜日

名古屋フットボールクラブの原点 ~ネルソン吉村氏のひと言~


ゴールデンエイジという言葉があるように、この年代で体が完成されている選手は一人もいない。ジュニア(小学年代)を4年ほど指導していたときに、現在もそういう傾向があるかと思うが、身体能力を優先させるサッカーが主流だったように覚えている。

そのジュニア選手達といっしょに17名でジュニアユース(中学年代)を立ち上げ、1年間は2学年上と戦い、翌年も1学年上と戦い、特に最初の頃はテクニックがパワーに消されるという歯がゆさがあり、それは今でも忘れない。
ボールを奪われない為にはどうしたら良いかという想いで、1年生だけの夏休みからとにかく基本にこだわった。我がチームにもご他聞に漏れず、身体能力の高い選手も少数ながらいたが、身体も小さく、スピードの無い選手もいた。
様々な能力の選手が混在する中で共通して身につけさせることが出来るのは、個人の基本技術であり、個人の基本戦術であると感じながら指導を続ける毎日であった。
ステップワークを含む足さばきとボールさばき、観ることなど視野の広さに加え、最も重点的に取り組んだことはキックの精度を上げることであった。

その年、忘れもしない出会いがあった。
今は無きネルソン吉村氏(日本リーグ時代のヤンマーディーゼルで釜本邦茂氏らとともに黄金期を支えたブラジル人帰化第1号の選手)と懇意になり、サッカーについて話をする機会を得た。ネルソン吉村氏から「Jリーグが始まって日本人は運ぶ技術はかなり上手くなったけど、蹴る技術は僕が日本に来た30年前とあまり変わっていないと思う。サッカーはキックの技術が一番大切なのに・・・」と言われ愕然とした。

それは、自分の指導方針が“感じながら”から“確信して”に変わった瞬間であり、今に至っても全くブレることはない。

それからというもの、明けても暮れてもインサイドキック、インステップキックを練習し、脚の角度、膝の角度、身体の向きなどキック精度を上げるためにかなりの時間を注ぎ、キックは格段に上達した。しかし、身体が小さく、スピードが遅い選手がインサイドキックで相手によく引っかかる場面を見て、アウトインステップを思いつき、徹底してアウトインステップを練習した。この効果はてきめんであり、インサイドキックは身体の向きで予測され易く引っかかることが多いが、アウトインステップでさばくことにより、引っかかる回数が極端に減ってきた。

ここが名古屋フットボールクラブの原点である。

その後すべてワン・ツー・スリーのリズムをワン・ツーに短縮するパスワークを徹底したことにより、ヘッドダウンが減り、視野の広さにつながり、ボールを奪われる回数が減ってきた。ボールがつながれば、判断の早さも要求され、必然的に状況判断せざるを得ない回数が増えるため、経験値が上がっていく。

ところが、それでも勝てるという保証が無いのがサッカー。勝てるかどうかはわからない。ただ、このベースにいくつものスパイスを混ぜれば勝てる確立はかなり高くなるというノウハウはある。これは内緒だが・・・

小崎 峰利

2015年9月1日火曜日

改めて「育成」について考える ~最近考えること~


名古屋フットボールクラブは、毎学期通知表を提出させる。総合評価の高い選手や低い選手がいる中で、いろいろな観点から分析をする。遅刻、欠席の有無、各学科の細かい項目の評価、教師の所見、課外活動の内容と評価など。

気になることが一つ。数字で表されることは良くわかるが、総合評価が低い選手に対する教師の評価コメントに悪いことは記載されていない。おかしなことである。私が見る限り、評価の低い選手は何らかの問題があるのは事実である。毎日見ていて良いことばかり書いている。必ずやポイントがあるはず。それが見えてこない。

私はいつも感じる。数年来言ってきた事であるが、選手の集中力、勉強やサッカー、教師や指導者の言うことをまったく聞いていない選手が結構いる事に気がつく。まずここに気がつかなければ、その子供の全てを伸ばすことには限界がある。
サッカーにおいては、身体能力やサッカーに関するセンス、持って生まれたボディバランス、スピードやフィジカルなど、小さなときからこれらを持っていたとしても、先に書いた聞くことや、聞いたことを頭に留め置き、実行することが出来て初めて伸ばすことが出来る。

グラウンドに出て同じ時間を過ごすにも関わらず、伸びの低い選手がいる。これは聞いてきたことを考えず、今まで通り行ってきたことを反射的に行ってしまう癖がついてしまっているからである。勉強にしても、評価の低い選手は「勉強をやらないからだ」と決め付ける保護者も多く居る。勉強机に息子が座っていれば安心する。塾へ行っていればほっとする。当たり前であるが、サッカーにおいても同じ現象である。グラウンドに出ているが、ただがむしゃらにやっているだけ。そのがむしゃらの、その頑張りにも個人差がある。

最近は、指導者が、教師が一人ひとりの分析をあまりしていないんではないかと思ってしまう。我がチームの指導者には、とにかくまず選手の分析をさせ、どのようなアドバイスが良いのか、またどのようにしたら頭が働くのか、どのようにしたら話を聞くことが出来るのかを常に観察とコミュニケーション、声掛けをさせている。最優先は意識をさせることである。

こういう選手がいる。話を聞くときは、話をする人の目を見て聞きなさい。昔からよく言われてきたことである。ただ、目を見ることに集中して話の中身をまったく聞いていない選手がいることも事実である。我がチームは全てのことに共通するであろう、意識付けに心血を注いでいる。

サッカーにおいてのことを一つ。
先に書いた能力の高い選手にありがちな感覚でサッカーをするということについて、少し気になることがある。たまにトレセンの活動やハイレベルの試合を見に行くことがあるが、選手の動きや戦術論が全てのように感じる。個人に特化したコメント、例えば足の使い方、ターンの仕方、体の向きに関してはよくコメントを聞くが、どちらの足でボールを奪いに行くかとか、体のぶつけ方などの個人技術や個人戦術に関しては少ないと感じざるを得ない。この育成年代は個人のレベルアップ、特に「蹴る」「運ぶ」「止める」はもちろんのこと、「観ること」や「相手との駆け引き」「足の使い方」もう一つは「シュートを含むキックのレベルアップ」など個人にもっとフォーカスして欲しいと感じている。

最近は能力の高い子供がサッカーに関わる時代から、すべての子供がサッカーに関わることができる時代に突入してきている。同じ年代でも、また、どのような資質を持った選手にでも対応できる指導者を目指さなくてはいけない。

私は長年にわたり育成年代を見てきている。その中で様々なレベルの選手に対応してきた。そのノウハウを駆使して、今後も育成年代の指導者のスペシャリストを目指すと共に、このような対応力を備えた指導者を育てることにも心血を注ぎたい。

日の丸から世界に羽ばたく選手を目指し、また人を思いやれる選手、常にチームのことを考えられる選手、キャプテンシーを持った選手。どのようなチームにも欠かせないキャラクターの選手を数多く輩出したいと考えている。

小崎 峰利

2015年1月8日木曜日

改めて「育成」について考える ~将来ある少年達を裏切らないために~

この時期、小学生の試合を観る機会が増えてくる。8人制のサッカーに戸惑いながらも全体を観てみる。小学生のサッカーが8人制になるとき、選手がボールに関わる機会が増えるということがうたい文句だったと記憶している。
しかしながら、勝敗を決めなくてはいけない大会になると(すべての試合が勝負であることには間違いない事実ではあるが・・・)FWに足の速い選手がいて、奪ったらカウンターという図式が圧倒的に多く、組み立てることへのリスク回避が感じられる。ボールに関わる機会が増えるどころか、確実に3人はベンチに下がり、一度もボールに触る機会がなくなるのはどうかと思う。

それよりも、個人の技術に関して感じることがある。我々の優先順位は「止める」「観る」「運ぶ」「蹴る」であると考えている。ただ、最近のサッカーにおいてはスピードを求められ、身体のスピードではなく判断のスピードを早くしなさいと指導者は言う。
我々のカテゴリー、すなわち小学校高学年から中学校3年生までの選手は、明らかに物理的なスピードの高低差が多分にあるなかで、早い判断をしたとしても身体のスピードが遅い選手も多い。

最近はサッカーというスポーツがメジャーになるにつけ、多くの少年がサッカーに親しむようになった。海外サッカーを手軽に観ることができ、Jリーグが発足して早くも20年という月日が経つ。我々が小学生時代の公園では、キャッチボールをしている少年しかいなかったが、近年は家の中で音楽や読書にいそしみ、スポーツとはあまり縁のない運動能力の低い少年も、サッカーというスポーツに興味を持ってボールリフティングを始めるようになる。

一生懸命リフティングをすると、必ず上達をする。1回が10回、50回、100回、1000回と伸びていく。運動能力が低い子供も、高い子供も皆リフティングはできるようになる。その子供たちが小学高学年になり試合を始めると、足の速い子供は速いし、身体の大きい子供は大きいし、少しバランスの悪い子供はすぐにバランスは改善されないし、走り方や歩き方がぎこちない子供はどこまでいってもぎこちない現実がある。しかしながら、子供たちは一生懸命サッカーが上手くなりたいと努力をする。

我々指導者はこのカテゴリーの選手に対して、個人のボール技術、足の出し方・運び方、一昔前は体の向きをしっかり考えなさいと指導してきたが、最近は早い判断というフレーズが多く聞かれる。将来身体のスピードや強さの差がなくなってきたときに脚光を浴びる個人技術及び個人戦術を習得させることが、今まさに疎かになっていると感じてしまうのは、私だけであろうか。

我が名古屋FC出身の選手が高校以後全国レベルでも活躍している事実は、前回書いたように今出来ることをいかに真剣に取り組ませるかという「意識付け」をベースとし、身体のスピードが遅い選手でも、「止める」「ステップをする」「蹴る」という1,2,3のリズムにおいて、ステップをなくした「止める」「蹴る」という1,2のリズムを習得させることを継続的に指導してきたことが要因の一つであると考えている。
この理論は、長年多くの子供たちをみてきて、「今」ではなく、「将来」を見据えたときに避けては通れない現実だと感じたことが、これまでの名古屋FCの指導方針となっている。

このような観点で小学生の試合を観ていると、ボールを持っている選手に足を出してボールを奪いに行く技術は哀れとしか言いようがなく、また、身体のスピードが遅い選手が良い判断をしても、遅いがゆえに相手の選手の足に当ってしまったり、ステップを踏んでしまったゆえに、足の速い相手にインターセプトされてしまったりという光景がいかにたくさんあるか・・・。

小学生の指導者のコーチングを聞いていると、「何でそこに走らないんだ!」「そこでワンツーをやったらどうだった?」とか「ラインを上げたらどうだ?」とかはよく耳にする。個人のことでは、「身体の向きは?」くらいは聞こえることはたまにはあるが、ボールの持ち方や足の出し方、ボールの受け方、ボールの運び方、どちらの足でボールを運び始めたら有利であるとか、ステップの仕方(足の運び方)を試合中にコーチングしているチームはほとんど見受けられない。組織や戦術に関することにウエートが多く傾いている感じがする。
これでは、将来身体が大人に近くなってきたときに何ともならないし、もともと運動能力や身体能力に恵まれていた選手でさえ、高校生ぐらいになると埋もれていく選手が多いと思われて残念になってくる。

名古屋FC出身のプロ選手は、引退した選手も含めて9名に上る。フットサルを含めると11名にもなる。これら選手たちよりも身体能力が高い選手は多く在籍していたし、「この選手は本当に上手いな」という選手もいたが、この11名に「かなりの確率でプロになる」と感じた選手が多いのは事実である。

最近、名古屋FCの大会成績は芳しくないが、現在のメンバーが必ず高校サッカーでも中心選手となり、また、何名かのプロフェッショナルも輩出できると確信している。

この育成年代はチームにおいて、「目にはみえない部分で如何に真摯にサッカーに取り組むか」という考え方を植え付け、更に勝者になるには「勝者とは何ぞや」を教え、目にみえる部分では、「身体能力に左右されない個人の技術・個人の戦術」を身に付けてあげられるかが、将来ある少年に対しての我々の義務だと考えている。
小崎 峰利

2014年10月17日金曜日

改めて「育成」について考える ~高校サッカー界で活躍するOBを観て~

名古屋フットボールクラブ創立以来17年間、ジュニアユースの選手に言い続けてきたことがあ

「キャプテンは代表として一人しかいないが、我がチームは全員がキャプテンの意識を持って行動してくれ。」「上手い選手はいくらでもいる。いい選手を目指してくれ。」このようなフレーズを日々繰り返してきた。

今夏のインターハイにおいて、某Jリーグ関係者と某高校の監督から、「今年の愛知県4強リーグは名古屋FCの選手が活躍していますね。他の高校でもけっこうたくさんの選手ががんばっていますね。びっくりしました。」という電話が入った

私は高校サッカーに大いに関心があ。しかしながら、選手には勉強のため観戦に行かせることはあっても、私が愛知県の高校サッカーを見学応援に行くことはほとんどない。どこに行ってもOBや保護者の方がいっぱいで気になってしょうがないし、出場しているOB選手の動きが気になって、純粋に高校サッカーを観戦できないからである

今回の連絡を機にチームスタッフに確認したところ、愛知県で優勝した東邦高校には、名古屋FC及び名古屋FC EAST出身の選手が5名もメンバー入りし、2トップ、ボランチの計3選手が先発出場していた。エースナンバー10番の選手も名古屋FC出身でした。東海学園高校の10番、刈谷高校の11番、中京大中京高校の9番と13番と実に計9名もの選手が4強リーグに出場していたことにな

そこで、愛知県大会に出場していた高校の状況を調べたところ、愛知高校のキャプテンで10番、名経大高蔵高校の10番、旭ヶ丘高校の6番、長久手高校のキャプテンなどなど、かなりの選手が活躍していることが確認できた。今冬の高校選手権愛知県大会も非常に楽しみである

その後、インターハイ全国大会を観てみると、先の東邦高校は初戦敗退したものの0-2のビハインドからの追撃弾をEAST出身選手が、同点弾を名古屋FC出身選手が入れ(PK戦ではずしたのも名古屋FC出身選手ではあるが・・・)、2回戦2-3で敗退した中京大中京高校の2点は名古屋FC出身選手であった。また、奈良育英高校のEAST出身選手は、まだ1年生ながら全国のピッチに立った。さらに名古屋FC出身の2年生であるが、9年ぶりに全国大会に出場した鹿児島実業高校のセンターバックとして、2回戦からほぼフルタイムでの出場を果たしている

他にも、メンバー入りこそしていないものの、名古屋FC及び名古屋FC EAST出身選手が、青森山田高校、市立船橋高校、星稜高校など全国トップクラスの実績がある高校で日々努力している。

このようなチームでの活躍を目指した10番の選手が上手い選手か、良い選手かは私には判断できないが、冒頭で書いた「全員がキャプテンであって欲しい」「良い選手になって欲しい」という私の希望が垣間見えたと勝手に思い込んでい

そういう観点で思い返せば、過去には私の記憶の中においても、県内の中京大中京高校、東邦高校、愛知高校、旭ヶ丘高校、県外においては青森山田高校のキャプテン、市立船橋高校は副キャプテン、大学においても慶応大学、中央大学、中京大学のキャプテンがいた。

一方、最近の高校生、大学生を観察すると、残念なことがたくさんあ。人は一人ではなく、グループ、組織の中で生きてい。サッカーもチームという組織であり、我々も家族という最小のグループの中で生きており、学校や会社という組織に通っていることは紛れもない事実である

このような社会の中で生きていくうえで、最低でも身につけておいて欲しい考え方があ。チーム、いわゆる組織をまとめるのに大切な言動や配慮、そして感謝や思いやり、組織力をアップさせるための原理など、ジュニアユース年代のまだまだ無垢なときに物事の道理や道徳を言い聞かせ、社会性の大切さを説明し、いかに多くの言葉を投げかけてあげるか、どれだけ大事で影響力があるかが、17年間やってきてやっと小さな形となって現れてきた実感がある

昔は(私の中ではついこの間のように感じる10数年前ですが)、「強いチームを作ること」が中心であった。それも大事な目的には違いないが、徐々に「強いチームへチャレンジし、勝ち抜いていくためにはどうすべきか」「チームや組織の中での存在感」「家族や関わってきてくれた人への感謝」など、このような人間的なことを学ぶことの重要さにシフトしてきた感じがする。その中でサッカーという競技をしっかり理解し、強いチームに行っても困ることのない技術、戦術を習得させることのほうが大事と考えるようになってきたことは間違いない

このようなチーム作りは、歳をとってきたと感じてしまうこともあが、年月を重ねながら、たくさんの育成年代を観て、たくさんの経験の中からのから感じるからだと考えるようにする

名古屋FC及び名古屋FC EASTは欲張りなチーム、すなわち少しでも多くの財産を選手に身につけさせ、高校への進路をしっかり考え、ゆくゆくは選手の将来像を考えた指導と共に、指導者と選手という垣根を越えていい相談相手になっていきたいと切に願ってい
 小崎 峰利

2012年3月12日月曜日

日本のサッカー事情と名古屋FCの考え方

現在の日本のサッカーは、2002年日韓ワールドカップを境に急激に発展してきてい。特に思う事は、今から20年前、Jリーグの発足時においては、その時点でのトップレベルの選手を集めて活動している日本フットボールリーグ(JFL)からプロ化したチームでスタートした。そのプロチームに所属する選手は、まさにその時うまい選手の集まりであった

しかし、現在は香川真司、長友佑都、本田圭佑、宮市亮、清武弘嗣など現在海外やJリーグで活躍している選手、またU-15、17、20、23など日本代表クラスで活躍している選手のほとんどが、日本や世界を視野に入れて育てられた選手であるということは間違いのない事実である

まさに世界で戦うことのできる選手を目標とし、サッカーというスポーツを理解させた上で、技術、チーム、生活習慣、マナー、モラル、などなどサッカーを通じて人間的にも成長させていかなければならない

大げさなことを言っていると思われるかもしれないが、このようなロジックで選手と付き合うことで、必ずそのレベルに行く選手が現れることになる。我が名古屋FCも、こういった哲学で選手育成をしている

少しでも早くから前述の環境に身をおくことで、サッカーに取り組む姿勢を確立することができると思ってい。ただエリート教育をするといったわけではない。小学校1年生から3年生(U-6~U-9)いわゆる低学年は,サッカーの楽しさを感じてもらうことが大きな目的である。その中で自ら考えることを覚え、実行するようになれば、年齢が上がるとともに目覚しい成長を遂げることになると思

4年生から6年生(U-10~U-12)においては低学年で身に付けた「自ら行動する」という習慣を、サッカーにおける個人技術、個人戦術の習得に重きをおきながらサッカーに取り組んでいけば、U-15年代でナショナルトレセン、日本代表も現実のこととなるであろう

しかしながら、全ての選手がそこまで成長するかというと必ずしもそうではない。自ら意志を持って、考え行動することを促す環境に選手を置くことによって、早くから自主・自立を確立することができ、努力することによって成長するという自覚ができれば、人間として成長すると思われ

また、学習についても、学校生活においても、家庭生活においても考え方は同様です。良い生活習慣を身に付けることから、サッカーの上達も望めることにな。あらゆる可能性のある選手たちに、サッカーだけではなく、どのような世界に行っても役に立つベースを授けてあげることが大事と考え

そのためには、低年齢からの環境作りを怠ってはいけない。少しでも効率的に吸収させるべく、我々は努力を惜しまない。そのためには、選手とのコミュニケーションを多く取り、サッカーは楽しいと思い、また「達成感」を感じることで、日本流でいえば「もっと頑張ろう」ということになるのではないかと思

名古屋FCは、このような方針運営していきたいと考えている。具体的なことは、グラウンド内外で伝達していくつもりである。これをお読みになったサッカー小僧の保護者の皆様や、愛知県下の指導者の皆様とともに、未来ある子供たちのために、より繊細な指導をすることによって愛知県のサッカー、日本のサッカーを盛り上げていくことが出来ればと思ってい
                小崎 峰利

2012年2月14日火曜日

個人技術・個人戦術

現在U13地区予選が行われ、愛知県大会に入ってい

名古屋地区予選は100強のチームが参加をし、上を目指して熱戦が繰り広げられていた。久しぶりにU13カテゴリーのゲームを数多く見ることがでた。ここから書くことは、あくまで主観ではあが、この地区大会で見聞きしたことに関して、感じたことを少し書きたいと思

ゲームを見る限り、個人技術、個人戦術なるものがまったくといっていいほど教えられていないと思うチームが、数多くあるという現実に愕然とた。ゲームの中での個人の動きや、グループでの動きなど、戦術に関わるコーチングは多く聞き取れた。しかしながら、個のボール扱いのところに関しては、まったくといっていいほど聞くことはなく、選手にも見受けられなかった

そういうチームの選手たちを観察していくと、アップでの止める、蹴る、運ぶの基本的なことはやっているが、あくまでアップの為の運動としか見受けられない。ゲームの中である。意図的な体の向きや姿勢、ボール裁き、足裁きは何もない。現代のサッカーは日進月歩で進んでい。戦術論も進んでいるが、個人技術や個人戦術はもっと進んできてい

サッカーをする上に必要なことを教えられずに成長してしまう選手が、数多くいるであろうことは非常に残念である。Jリーグ発足時の20年ほど前、ボールを奪いに行くとき、「むやみに飛び込むな」「足を出すな」など指導者講習会に行くと、よく言われていたことを思い出す。今大会でもそのような古き時代の考え方をコーチングしている光景を見かけた。「むやみに飛び込むな」というのはまだわかりますが、「足を出すな」はちょっと?と思います。足を出さなければボールを奪えない。いつどうやって奪いに行くか、どちらの足を出すかという技術は必要不可欠である

もっと大事なことは、足裁き、ボール裁きです。どちらの足でボールを止め、どちらの足でボールを運び、どちらの足でボールを裁くか、それとどういったターンが奪われにくいかなどのステップワーク。またボールを奪われたら、どのように体を寄せ、どちらの足を出しボールを奪いに行くか?など個人技術、個人戦術をしっかりと身に付けなければ、身体能力の高い選手が、この年代で尊重されるに決まってい
その身体能力の高い選手が、後のJリーガーや日本代表になっていくには、先に書いた個人技術・個人戦術は当たり前のように習得していなければならない

この年代は、背が高い、低い、足が速い、遅いなど個人差が顕著に出る年代である。ここでしっかりとしたものを身につけさせることが、我々指導者の責務である

愛知県の全体的なレベルは劣っているとは思わない。細かいことをおろそかにしていくチームが多いことと、そのことに気がついていない指導者が多いことが残念でならない。細かいことを指摘されることの無い選手が、かわいそうにさえなってしま

これから訪れるであろう、時間やスペースが少なくなるサッカーでも通用するような、先進的な個人技術、個人戦術を優先的に身につけさせ、それと並行して自分が考え、より良い判断が出来るように指導していくことが出来るチームが増えることを願ってい。あとはしっかりとした考え方を持ち、基本的な社会性を身につけさせることも大事であると考え
小崎 峰利

2012年1月18日水曜日

初蹴り会

名古屋FC2012年の初蹴り会が1月2日に行われた。毎年の事ながら、新年早々それも9時という朝早く、現役選手、OB及びそれぞれの保護者、総勢300名近く集まり、ミニゲームなどで汗を流し、また、おしるこなどを頂き、正月早々とてもなごやかな雰囲気であった

午前中開催ということで寝不足の方もいたと思うしかしながら、懐かしい話やOBや現役選手の楽しそうな顔を見ることができ、私自身も大変楽しい時間を過ごすことができた。現役選手様々なOB、プロ選手、大学サッカーで活躍中の選手、全国区の高校で活躍している選手、ちょっと危なさそうな選手、若いのにもう太り始めた選手などなど、いろいろな雰囲気を持ったOBが来たが、月日のたつのは本当に早いと感じた。
 
今年は名古屋FC出身の選手が所属する高校として、青森山田、清水商業、中京大中京、四日市中央工業、立命館宇治、帝京可児、市立船橋、香川西、高川学園などが全国高校選手権にたくさん出場しており、初蹴り会に出席できなかった選手も多くい。1月9日の高校サッカー選手権の決勝戦にOBである四日市中央工業高の寺尾俊祐、市立船橋高の副キャプテンの鈴木 潤の両名が決勝戦で国立のピッチに立つという、名古屋FCにとってはすばらしいニュースとなった私としてはどちらも応援しなくてはいけない立場なので、複雑な心境ではあったが、両名とも延長戦までフルタイム出場し、精一杯戦ってくれて本当に感動した。また両名とも優秀選手に選ばれた。今後も、このように次のステージで活躍してくれる選手がたくさん出てきてくれることを願ってい

名古屋FCのジュニアユースを立ち上げ14年が経った。世間では相当からあるクラブのように言われていが、まだ14年しか経っていない。その14年の中でクラブユース選手権5回、高円宮杯全日本ユース選手権5回、計10回の全国大会出場、最高位全国3位という実績と、選手個人としては先に書いた高校選手権は全国で相当数の選手が出場し活躍してきた。

また、プロ選手は名古屋FC出身者では、Jリーグに過去3人が在籍し、海外においてはルーマニアの1部リーグで活躍する1期生の瀬戸、それと今年は3期生と5期生の選手が、ベルギーなどの欧州へチャレンジしに行

最近はU23日本代表に選出され、オリンピック日本代表に選ばれている5期生の大岩など個人としても確実に実績を作ってきてい。このような実績は選手個人が努力をしてきたことに他ならないが、我々が上を目指す環境を演出したり、初蹴り会のような歴史と伝統を支えていただいた保護者の皆様がいて初めて成就したものと思ってい

このような会が選手にどのような影響を与えるかは、後々になって見えてくることは間違いない。また、このような会に参加していただいた保護者の皆様の力は本当に大切なものだと思。このことについては感謝に耐えない

また、現在私がうるさく言っているサッカーに取り組む姿勢であったり、あいさつや身だしなみ、マナーやモラル、いろいろな人への感謝の気持ちと表現であったりなどと同じで、大きな意味を持ってくると確信してい。このような考えを持ちながら、今後も愛知県のサッカーを盛り上げていきたいと考えてい
小崎 峰利